結束バンドの素材には、ナイロン・ポリプロピレン・ステンレススチールなどがあり、それぞれ寿命が違っています。
ナイロン66は100均などでも販売されている最もポピュラーな素材ですが、寿命は短く1年程度です。ポリプロピレンで1~2年、ステンレススチールで2~3年程度です。耐熱性・耐候性ナイロンの寿命は、5~7年程度と長くなり、さらにナイロン12という素材になると25年にまで長くなります。結束バンドは、幅が広くなるほど結束径直径が短くなるほどカーブしている部分に圧がかかってしまい、切れやすくなります。重力がかかるほど切れやすくなってしまいます。
あとは塩害によって切れてしまうこともあります。雪が多く降り積もる地域では、雪かきの際に融雪剤を使用することがありますが、この融雪剤の主成分は塩化カルシウムです。家屋や施設から屋外に出ているケーブルなどを束ねている結束バンドに、融雪剤がかかってしまうと、塩化カルシウムが塩化亜鉛に変化し、塩化亜鉛が結束バンドのナイロンを腐食してちぎれてしまうのです。
また、塩化カルシウムの結束バンドは電気を通しやすいため、銅線の被膜まで破れると漏電やショートの原因にもなって最悪の場合は火災に発展してしまう危険性があります。したがって、結束バンドの素材をナイロン12など耐候性の高いものにする必要があります。雪を除去するために、融雪剤を使用した場合には、塩化カルシウムがかかった部分をよく洗い流したり、拭き取ったりする塩害対策をする必要です。