結束バンドは、ケーブルを簡単に束ねることができるのでとても便利です。
しかし、一般に市販されている結束バンドは、塩害に弱いという特性があります。この特性を知っている人はあまり多くないかもしれません。結束バンドを屋内で使うぶんには、塩害というのはあまり気にしなくてもいいのですが、屋外で利用する場合は、塩害を受ける可能性があるので注意する必要があります。塩害は、どこでも発生するというわけではなく、発生する場所は限られています。
その代表例は海の近くの地域に他なりません。海に近い場所では、潮風にのって塩化ナトリウム、いわゆる塩が飛んできてバンドに付着し劣化させてしまうことがあります。海の近くで塩害が起きるというのは、とても分かりやすい話で誰もが納得できるでしょう。しかし、塩害は海に近いエリアだけで発生するとは限りません。実は寒冷地においても塩害は起こりえます。なぜ寒冷地で塩害が起こるのかといえば、寒冷地では凍結防止剤や融雪剤がまかれるからです。
この凍結防止剤や融雪剤の主成分は塩化カルシウムなのですが、この塩化カルシウムが塩害を引き起こす原因に他なりません。塩化カルシウムが結束バンドに付着すると、素材であるナイロンがどんどん劣化して破断することがあります。ですから、融雪剤などが散布されるような地域において、通常の結束バンドを使うのは危険です。もしも使うなら、ちゃんと塩害に耐えられる素材でつくられているバンドを使いましょう。